ODF実装間の互換性とOOXML実装間の互換性の読み方
脊髄反射。
http://www.xmlmaster.org/murata/xmlblog/xb080806.html
数字だけ読んでひとり合点する前に、いくつか注意点を。
- 提供ベンダが異なることが重要です。MS Office 2007とMS Office 2003とMS Office Mac 2008を併記する意味はあまり無い(特に前2者)。
- こういう比較で重要なのは実装が前提とするOSやアーキテクチャ。WindowsアプリケーションとWindowsアプリケーションの間の互換性は、WindowsアプリケーションとLinuxアプリケーションの間の互換性より高くて当然です(試験項目がOS非依存かどうか、というのはここでは関係ない)。Webアプリケーションが大きく制約を受けるのも当然です(Google Docsのスコアが低いのは当たり前)。MicrosoftがOOXMLを編集できるWebサイト(office live?)を公開したらどれだけのスコアをたたき出せるか楽しみですね。
- てかGoogle Docsよりzohoとか使った方が良かったのでは? OOXMLサポートも*限定的ながら*あるようだし。
- Novell版OpenOffice.orgのOOXMLサポートにはMicrosoft謹製のodf-converterが使われています。互換性が高いのはある意味当然。Sunの実装がどうなるか楽しみ。
- 現実問題として、OO.oがマルチプラットフォームで動作する以上、KOfficeやAbiwordでODFサポートを充実させようという動機が、OOXMLを読めるようにしようという動機よりも弱いのは当たり前で、この辺の実装のODF互換性が高くないのは自然な結果であると言えます。
- てか、KOfficeやAbiwordがOOXMLサポートを実装するようになったら、このスコアボードがどうなるか楽しみではないですか。
ところでAppleのPagesで使われているOOXMLの実装って何なんだろう。高得点ですね。独自開発なのかしらん。
removing joke iPhone App for no reason? Apple, wake up or grow up
最近iPhone AppStoreに”I am Rich”というアプリケーションが登録されて話題になった。「こいつは何もしないが、これを持っているとお前が金持ちだということが分かる」と説明されているもので、じつにくだらないおバカなアプリケーションである。
アプリケーションのAppStoreへの登録がrejectされる開発者はとても多く、こういうアプリケーションが一方でフツーに登録されているという事実にむかついた開発者が多いであろうということは、世に出ている記事なんかからもうかがい知ることが出来る。
このしょうもないアプリケーションが、しかし、今日になってAppStoreから削除されたようだ。
http://www.alleyinsider.com/2008/8/worthless-1000-i-am-rich-iphone-app-disappears
コメント欄に「うわ、無駄に高いだけじゃなくて今やレア物なのか!」とか書かれていて笑うわけだけど、しかし、こういう動きを歓迎する前にちょっと考えてみてほしい。何でこれが削除されなければならないのか?
「何もしない」アプリケーションなんだから、当然バグがあるわけでもないだろうし、HIG違反があるわけでもないだろう。作者が自主的にtakedownしたのならともかく(通常の状態でそんなことをする必要があるとはとても考えられない)、Appleが降ろす正当な理由は無いのではないか。
おバカなアプリケーションだからいらない、と言うのは99.99%の人にとって事実だろう。しかし、おバカなアプリケーションだから理由もなく削除して良い、というのは全然違う。君たちも自分がtwitterやmixiで書いている日頃の下らない話を「だって価値がないだろ」というだけの理由で削除されたらどう思うか、考えてみるといい。
「おれのアプリケーションが登録されないのにI am Richが登録されているのは腹立たしい」と開発者が思うのは自然なことかもしれないが、その状態を作り出しているのは(自身にどんなポリシーがあるにせよ)Appleにあるのだから、Appleが開発者たちの批判をかわす目的でtakedownする正当な理由にはならない。
開発者たちもAppleに意味のない批判を向けるべきではない。Appleがtakedownしたのだとしたら、まず悪いのはAppleだが、Appleにそんなことをさせたら開発者たちも実質的には同罪だ。
コメント
村田 — 08/07/2008 07:18:20
OpenOfficeとStarOfficeも同じベンダーですよ。
AppleのOOXML実装は独自開発です。Open OfficeのOOXML
実装も独自開発でしょう。
村田 — 08/07/2008 08:26:09
訂正します。Open OfficeのOOXMLについては私の勘違いです。
それからPageは、OOXMLの読み込みだけで書き込みができません。
レポート本体にいろいろ考察が載っています。
atsushieno — 08/07/2008 08:29:29
おっと、そうですね、StarOfficeについては自明だと思って言及しませんでした。Pagesについて書き込みできないというのはレポートに確かに書いてありました。(レポート自体は主題・内容ともに興味深いものですね。)
村田 — 10/04/2008 20:15:55
その後、ある人(Open Officeにはとても深くかかわった人)から、Open OfficeのOOXMLはSunが作ったという話を聞きました。どっちが本当でしょう?
村田 — 10/04/2008 20:33:17
どうやら、OpenOffice.org V3と、V2.4とでは話が違うようで
すね。このレポートの場合はNovell’s OpenOffice.org
2.4 with Open XML translator plug-inだということです
が、V3だとSunの作ったものなのでしょう。V3でOOXML文書を
ひとつ試しましたが、ちゃんと動きました。
atsushieno — 10/04/2008 22:11:09
OO.o本体のみでOOXMLをサポートするようになったのはV3からですね。これはSunの実装に基づいているはずです(というわけで、わたしのコメントもやや未来形になっています)。
一方でV2.4そのものにはOOXMLのサポートはなく、MSのodf-converterをもとにNovellの拡張版で対応しているというかたちになっています。odf-converterは.NET実装なので、Novellがmonoをバンドルして組み込んで提供しているわけですね。(Sunが消極的なのはまあ推して知るべしと申しましょうか。)
Sunバージョンでも無事に動いているということであれば、それは良いニュースですね。OO.oで従来のOffice文書なみにOOXMLが読み書きできるようになれば、オープンソース環境で実用に耐えるようになるわけで、囲い込みに資することになるというマイナス面がなくなることになろうかと思います。