recent mono updates
最近それなりにmono関係のネタを書くようになっていたけど、まだいくつか拾ってない話題があった。
- WCF関係のアセンブリがoliveからmcsに移動しました。これはWCF関係のモジュールがstableになってきたからではなくて、Silverlight 2.0のビルドの都合上mcsにあってくれないと面倒だという消極的な理由です。WCF自体はもう誰もhackしていません。BasicHttpBindingとかは既に動いているわけだし。
- そんなわけでSilverlight 2.0のクラスライブラリの開発が、特に先月に集中的に行われていたりしました。といってもほとんどagclr(って古いか)の域を越えていないし、そもそも基本的にはまだSL 1.0相当の開発が主な作業なのだけど。
- MiguelがCSharpReplというC#のシェルのようなものを作っています。コマンドはcsharp(そのまんま)。コードベースはほぼmcsで(mcsのディレクトリにパッチがある)、文法は基本的にC#です。とか言いつつ僕はまだ使っていなかったりして。追記: CSharpEvaluatorなんてのも作られているので、その手の何かを作りたい人はコレでおもちゃを作って遊んでみるのもいいかもしれません。(ただしmcsのコードベースはほとんどstaticコンテキストで動いているので、1つのAppDomainの中でたくさん動かすのは無理かも。)
- ASP.NET MVCの下敷きになる3.5 SP1のアセンブリ(Abstractions/Routing)の開発も地味に始まっています。ていうか僕がやっているのだけど。MVC自体は3.5 SP1に入っていないから未来形だし、そこを僕がやる予定はありません。
MIAUが寄付の受付を開始しました
http://miau.jp/1221048000.phtml
寄付受付をしようという話は設立当時からあったわけですが、法人格無き社団であったために、(主に)どうやって受け付けるかという話があって、法人化してから受け付けよう、ということになって、法人化というタスク自体他(ネット規制法対策とか)の優先度の高いタスクに押しやられて、ここまで延びてしまったのです。
ともあれ、今回めでたく寄付受付まで漕ぎ着けることができました。MIAUを金銭的に支持しても良い、それくらいの余裕はあるぜ!という方、是非お願いします。
いくつかFAQ的なことを:
- 使途が見えない寄付はしたくないというコメントをはてブで見かけましたが、非公式には津田さんが先日その辺はまとめているので、その辺を見てもらえればと思います。とりあえず人件費が大きいです。年額数百万円の寄付が受けられるのであれば別ですが、そうでない限りは、ほぼそこに消えることになるでしょう…。「インターネットの教科書」作成にも、数十万単位で費用が発生しています。
- 匿名での寄付については、今のところお断りさせていただいています。(氏名の公開有無は選べます。)
- paypalで寄付したい、という要望を少なからずいただいています。実はアカウントはもうあるのですが、paypalからの受け取り処理などの問題で、まだ運用できない状態です(paypalはけっこうクレジットカードありきのサービスで、個人であればカードで簡単に受け取れるのですが、法人カードはそんなにすぐには作れないのです)。これはもしかしたら近日中に状況が改善されるかもしれません。
それと、年額5000円の有料の正会員制度についても、来週以降に発表していくことになりますので、そちらをお待ちいただくというのもアリだと思います。大きなものではありませんが一応会員特典がつく予定ですので…。年額5000円よりは多く出してやるぜ!という方は、是非別途お願いします。
とりあえずまだ手探りで始めているのですが、MIAUもCreative Commonsみたいに上手いこと回せると良いなあと思っています。わたしは2004年くらいからずっとsupporterなんだけど、MIAUもTシャツとか送り返せるようになったらまあいいですよね。書籍が送られてきたこともあったな。(余ってた可能性は高いけどw)
「Googleストリートビュー雑感」へのお返事
http://kiyosakari.blog105.fc2.com/blog-entry-91.html
わたしの議論をベースにいろいろ論考をめぐらせていて、これもそうだけど、一連のGSV関連のエントリが面白いのでおすすめ(わたしと必ずしも見解が一致しませんが)。いくつかの点についてフォローアップしたいと思います。
おそらく,スカートの中も庭先・居室内も保護法益としては私的領域の平穏を乱されない権利として共通なのであって,異なるのは侵害の程度・態様ではないかと思います。
スカートの中を盗撮されないことで得られるのは、「私的領域」の平穏ではなく(だけではなく?)、性的自由の保護という具体的な法益保護の側面があるので、具体的に立法化されているのだとわたしは理解しています。(すくなくともわたしは「そこに法規制があるから」というメタ法益の議論をしているつもりはありません。)
ただし,私的領域が撮影されかねない態様であることを了解しつつ,そのような行為を行った場合には,その動機が好色的興味であっても,あるいは Google社の利益拡大であっても,私的領域の平穏を侵すという認識・認容という意味では違いがないと思います。その意味では,なおも「竹竿の先にカメラを設置して塀越しに盗撮するのと同じ」といい得るのではないでしょうか。
おそらく「故意の成立に必要な事実の認識」と「主観的構成要件要素」の区別がついていないのではないかと思います(主観的構成要件要素というのは、たとえばわいせつ罪におけるわいせつの認識などが該当します)。壇弁護士がMIAUのシンポジウムで
「ストリートビューは機械的に撮ったというのがポイント。何かに悪用する意図で撮影していれば裁判所はダメと言うだろうが、現時点では意図のない撮影へのコンセンスはない」
という旨説明したのは、まさにこの区別を指摘しているのです。id:champlasonicははてブで
壇弁護士の「中立的に法律論を考える」と言いつつも「コンセンサスがない」という言い草に終始していることにリーガルマインドを感じない
などと書いていますが、勘違いも甚だしい。壇弁護士は事実を説明しているにすぎません。こういう書き込みの方がよっぽどリーガルマインドに欠けるものです。
本題に戻って。
また,塀についてですが,「塀がある家に比べて、塀がない家だけ特別に保護されないプライバシーが存在するわけではない。」のはそのとおりかと思うのですが,私は,塀が何らの差異ももたらさないということはないように思います。つまり,塀がある場合には,その内部にある私的領域の平穏を犯されないことについては,より期待してよく,これに対する侵害は,それ以外の場合に比べて軽度であっても違法とされるのではないかと思うのです。
わたしはそれは無いと思います。というより、「塀がない家だけ特別に保護されないプライバシーが存在するわけではない」と「塀がある場合には,その内部にある私的領域の平穏を犯されないことについては,より期待してよく,これに対する侵害は,それ以外の場合に比べて軽度であっても違法とされる」は矛盾するのです。
わたしはむしろ、塀の有無が違いを生み出すとしたら、客観的にプライバシー侵害とされる行為があった場合に、それが無過失(「許された危険」)ないし軽過失になるか、あるいは重過失になるかの違いでしかないと考えます。つまり、違法要件ではなく責任要件の問題であると捉えています。